ヤシンテペ遺跡の発掘調査: 

イラク・クルディスタン自治区
スレイマニ県
新アッシリア時代(鉄器時代)

 

 発掘風景の空撮動画(1分30秒)

イラク・クルディスタン自治区の新アッシリア時代の遺跡であるヤシン・テペにおいて、常木晃、山田重郎、柴田大輔らによる発掘調査がおこなわれています。新アッシリアは紀元前10-7世紀に存続した史上初の世界帝国であり、当地域最大級の規模を誇るヤシン・テペ遺跡はその主要都市の一つと考えられています。2016年の発掘調査ではこの時代に典型的なReception Roomの形態を持つ大型建物などが見つかっています。

   

ハッサンケイフ・ホユック遺跡の発掘調査: 

トルコ共和国バトマン県
新石器時代(c. 9600-9000 cal. BC)

 

 発掘調査の紹介動画(4分15秒)

ティグリス川上流に位置するハッサンケイフ・ホユック遺跡では、筑波大学アナトリア調査団(三宅 裕)による先史時代集落の発掘調査が続けられています。この遺跡は今から1万2000年近く前、人類が初めて定住集落を作り、ムラの生活が発達した時期に居住されました。遺跡から出土する動植物遺存体の研究からは植物栽培、動物飼養の痕跡は見つかっておらず、狩猟採集民による大規模な定住集落で会ったことがわかっています。

   

イラク・クルディスタン地方の先史時代遺跡踏査:

イラク・クルディスタン自治区
スレイマニ県

イラク・クルディスタン自治区における先史時代遺跡の踏査が、常木晃、安間了らによるチームによって実施されています。肥沃な三日月地帯東部における新石器化の過程をあきらかにすることを目標に、イラク・クルディスタン地域、スレイマニ県の複数の先史時代遺跡を踏査し、遺跡周辺の地形・地質調査およびドローンを用いた地形図の作成などをおこなっています。

   

ザグロス山脈の地質調査:

イラン・イスラム共和国
アルサンジャン地方

 

 


ザグロス山脈南部において久田健一郎による地質調査がおこなわれています。この地域にはドーム状の構造を有する岩塩ドームが点在し、さらに石灰岩と放散虫岩(珪質岩)が互層する地帯が広がっていることがあきらかになっています。岩塩ドームは人類の生存に必須の塩類を、石灰岩地帯は旧石器時代の人々の住処として利用可能な石灰洞窟を、放散虫岩は石器に利用された良質の石材を提供したと考えられ、こうした地質環境は、出アフリカを果たした旧石器時代の人類に格好の自然環境をもたらしたと考えられます。

   

メソポタミア氾濫原堆積物に関する古環境調査:

イラク共和国

 

粘土板胎土に用いられたメソポタミア氾濫原堆積物に関する古環境調査が安間了によって実施されています。試料の薄片やスメアスライドを作成し、組織や組成の観察をおこなった結果、粘土板胎土は砂・シルト・粘土粒径が混じり合ったいわゆるロームからなること、しばしば海棲の浮遊性有孔虫や円石藻の殻(コッコリス)を含み、二次堆積物である可能性が確かめられています。

   

ウズムル教会の壁画に関する保存修復

トルコ共和国 カッパドキア地方

観光地としても名高いカッパドキア地方にあるウズムル教会の保存・修復事業が谷口陽子によって実施されています。この教会の壁画の製作年代は、7世紀末と考えられ、8-9世紀に遡るであろう古典ギリシア語をはじめ、アラビア語、トルコ語によるさまざまな落書きが残されています。馬や聖人像の線刻など歴史的に重要な落書きも多いため、重要な歴史的な証拠を消さないように留意しながら保存修復作業がおこなわれています。