人類の共通遺産である考古学的な文化遺産を対象として、保存科学、考古学、理学、工学、世界遺産学、情報学の立場から複合的に検証および考察を行い、その保存や共有化・活用を目指します。自然災害、内戦等の人為的な災厄により現在でも繰り返し被害を受けている物質文化をいかに保護し、広く社会の中で共有化できるのか、筑波大学内外の連携により国内外の遺跡、資料を用いたシステムの構築を目的としています。
先の東日本大震災による文化遺産の喪失、損傷といった地域の課題に加え、一連のアラブの春に関わる混乱や、内戦による西アジア地域の遺跡破壊、博物館資料の盗取、海外流出、また、開発による遺跡破壊といった今日的な重大課題に対して、現状では、個別の研究分野だけでは充分な対処が困難です。そのような現状を背景とし、西アジア考古学、保存科学、工学、理学、情報学といった各分野の専門性を生かしたチームを形成することにより、総合的な対応を行うことが求められています。個別の研究テーマを統合化することにより、多様なデータ、ノウハウを相互利用できるようなシステムづくりが早急に必要とされています。
This project aims to establish a comprehensive system for preserving cultural heritage using a multidisciplinary approach that includes conservation science, West Asian archaeology, chemistry, engineering, and information science. In order to address the growing threat to cultural heritages posed by severe natural disasters such as Japan's 2011 megaquake/tsunami and human conflict like civil wars and unrest recently triggered in West Asia, the project will focus on research utilizing international resources, materials, and sites; the compilation of case studies highlighting diverse data and know-how; and broadly disseminating knowledge to enhance preservation of our cultural heritage.
常木 晃 | 筑波大学人文社会系(歴史・人類学):西アジア考古学 | ||
松井 敏也 | 筑波大学芸術系(世界遺産学):保存科学 | ||
三宅 裕 | 筑波大学人文社会系(歴史・人類学):西アジア考古学 | ||
篠塚 富士男 | 筑波大学附属図書館 情報管理課:データベース、電子化 | ||
小泉 圭吾 | 大阪大学大学院工学研究科:地盤工学 | ||
沼子 千弥 | 千葉大学大学院理学研究科:放射光科学 | ||
高嶋 美穂 | 独立行政法人国立美術館国立西洋美術館学芸課:保存科学 | ||
島津 美子 | 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所文化遺産国際協力センター:保存科学 |
筑波大学西アジア文明研究センターの構築(プレ戦略イニシアティブ)
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