サラット・ジャーミー・ヤヌは、チグリス河上流の土器新石器時代の遺跡で、トルコ共和国南東部ディヤルバクル県ビスミル市の東約20kmのユカル・サラット村に位置します。チグリス河を堰き止めるウルス・ダムの建設にともなう水没地域の調査として、筑波大学の三宅裕およびディヤルバクル博物館により考古学調査がおこなわれました。
2004年から2010年までの調査により土器新石器時代の文化層が発掘され、現地表面から約4.5mの深さで地山に到達しています。表土から掘り込まれた鉄器時代およびイスラーム時代の土坑群のほかはすべて土器新石器時代に属し、それに先立つ先土器新石器時代の居住層は見つかっていません。この遺跡は、紀元前7千年紀に居住された集落址であったことがわかっています。