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現在までの研究成果

 フィールドプロジェクト: 筑波大学考古学調査団による考古学発掘調査

エル・ルージュ盆地の調査 (シリア・アラブ共和国

筑波大学考古学調査団は、シリア北西部のエル・ルージュ盆地において1990年代から考古学調査を実施しています。1997年以降は筑波大学の常木晃(人文社会科学研究科・教授)によりテル・エル・ケルク遺跡の調査が継続しています。先土器新石器時代から土器新石器時代(約11000年~8000年前)の集落址が確認され、村落から都市への初期人類社会の発展過程が明らかになっています。集落内の墓地からは、数百体におよぶ人骨が見つかっています。

詳細は: http://www.sakura.cc.tsukuba.ac.jp/~elrouj/index.html
      


サラット・ジャーミー・ヤヌ遺跡の調査 (トルコ共和国

サラット・ジャーミー・ヤヌは、トルコ東部チグリス川上流域に位置する、土器新石器時代(約9000~8000年前)の遺跡です。筑波大学の三宅裕(人文社会科学研究科・准教授)を隊長とする発掘隊によって、2004年から2010年まで調査がおこなわれました。数百年にわたり居住された集落の址が発掘され、泥壁で作られた建物、調理施設、住居内の幼児埋葬などが見つかっています。この地域で最古のグループに属する土器の発見は、西アジアにおける土器利用に関する研究を大きく前進させています。

詳細は: http://www.histanth.tsukuba.ac.jp/~tap/scy_JP/index.html    

 

アルサンジャン洞窟遺跡の調査 (イラン・イスラム共和国

2011年11月、筑波大学の常木晃教授によってイラン南部アルサンジャン地域での旧石器時代遺跡の調査が開始されました。アフリカに発するホモ・サピエンスの拡散ルートを探る目的で試掘がおこなわれており、新石器時代の層の下に中期旧石器時代に遡る遺物が堆積する層があることが確認されています。調査は始まったばかりですが、ホモ・サピエンスがアフリカからイラン南部を通って世界に広がった過程が考古学的に解明されることが期待されています。

 

 

 遺跡・歴史資料救済事業

テル・タバン文書解読プロジェクトシリア・アラブ共和国

筑波大学のアッシリア学者、山田重郎(人文社会科学研究科・教授)、柴田大輔(同・助教)によって、楔形文字の解読が進められています。
 シリア・アラブ共和国のテル・タバン遺跡(古代名タベトゥ)の発掘調査(隊長:沼本宏俊国士舘大学教授)で出土した粘土板百数十点には、アッカド語で古バビロニア時代、中期アッシリア時代の行政文書が書き記されていました。この文書の解読により、この時代の政治、経済、社会の様相がさまざまな角度から明らかになっています。解読は現在も継続中で、さらなる歴史の解明が期待されています。

 

バーミヤン遺跡保存修復事業 (アフガニスタン・イスラム共和国)

バーミヤン遺跡は、2001年の大仏破壊を契機に、ユネスコ危機遺産に登録されています。この遺跡の保存事業は、ユネスコ文化遺産日本信託基金を受け、独立行政法人東京文化財研究所が主体となって実施されており、筑波大学の谷口陽子(人文社会科学研究科・助教)が調査の中心メンバーとして保存修復作業を率いています。石窟に残された色とりどりの仏教壁画の保存修復が施されるとともに、最新の化学分析方法を用いた7-10世紀の壁画顔料の分析からは、世界最古と考えられる油絵の技法が使われていたことが明らかになっています。

 

タンギ・ボラギ遺跡の調査 (イラン・イスラム共和国)

イラン政府が実施中のファルス地方シヴァンド川ダム建設に伴い、ボラギ渓谷内の水没遺跡の救済プロジェクトが2005年より開始されました。筑波大学調査隊(隊長:常木晃)とイラン政府文化遺産観光庁考古学調査局(ICAR)との合同調査隊が組織され、旧石器時代終末から新石器時代初頭に帰属する洞窟・岩陰遺跡の発掘調査および、各時代の交通路やトランスヒューマンスの復元を目指した詳細遺跡分布調査が行われています。

 

イランの考古学と文化財に関するワークショップ

イラン・イスラム共和国より、文化遺産観光省付属研究所長官ら4名のゲストをお招きして、イランの考古学と文化財に関わる会合を開催しました。筑波キャンパスと東京キャンパスでそれぞれ開かれ、現在イランで調査を継続中の研究者、これから調査を開始する予定の研究者らが、イラン政府の担当者と交流を持ち、さまざまな情報を交換する良い機会となりました。

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 西アジア文明研究会の開催


第3回SAKURAミーティング

2010年10月9、10日に、つくば市のつくば国際会議場において、Third Sakura-Meeting "Geography and Culture on Habur and Euphrates" が開催されました。筑波大学の山田重郎(人文社会科学研究科・教授)によるオーガナイズの下、世界トップレベルの楔形文字研究者が集まり、古代西アジアの粘土板文書に関する討論が行われました。フランス人研究者4名、日本人研究者5名による研究発表をもとに議論が交わされました。

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国際シンポジウム 2010
「先土器新石器時代の西アジア -ギョベックリ・テペとその周辺-」

2010年12月16日、筑波大学において西アジア文明研究センター主催の国際シンポジウムを開催し、ゲストスピーカーとしてドイツ考古学研究所のクラウス・シュミット教授をお招きしました。シュミット教授は、トルコ共和国の南東に位置するギョベックリ・テペ遺跡の発掘隊長であり、西アジア先土器新石器時代研究の第一人者として知られています。シンポジウムでは、西アジア文明研究センターのメンバーも研究発表をおこない、世界最古の祭祀センターであるギョベックリ・テペ遺跡、およびそれと同時代の遺跡の発掘成果に関して最新の情報が公開されました。12月18日には古代オリエント博物館との共催で東京都内に於いて一般向けの公開講演会が開催され、多数の参加者に参集いただきました。

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国際シンポジウム 2011
「死を悼む心 -葬制から見る西アジア先史時代の社会」
Burial Customs in Prehistoric West Asia
 

2011年12月16日、トルコ共和国ハジェテペ大学より2人のゲストスピーカーを招き、筑波大学にてシンポジウムを開催しました。西アジア先史時代の埋葬について合計6本の発表があり、考古学的研究による埋葬習慣の研究から、形質人類学的な人骨の分析、人骨の同位体分析まで多岐にわたる研究発表がおこなわれました。12月18には古代オリエント博物館との共催で池袋サンシャインシティに於いて公開講演会が開催されました。

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西アジア文明研究センター定例研究会

西アジア文明センターでは、毎年度10月から2月の間に3回の定例研究会を開催しています。本センターのメンバーおよび外部からのゲストスピーカーを招き、毎回2名の発表者による研究発表がおこなわれています。発表分野は、考古学分野、地質学分野、文献学および保存科学の分野など多岐にわたる研究発表が企画されています。

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西アジア文明研究センター特別研究会

2012年4月2日、イラン・イスラム共和国地質研究所のモニレ・ポシュトクーヒ氏をお招きし、特別研究会を開催しました。地質学研究者を中心に、イランでフィールドワークをおこなう考古学研究者も参加し、学際的な研究集会となりました。今後も、生命環境科学研究科地球進化科学専攻の久田健一郎教授を中心として、イランの地質学者との共同研究が進められていく予定です。

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Assyrian Scribal Art: Assyrian Royal Inscriptions and Library Texts  

2012年 5月9日(水)、10日(木)の2日間、筑波大学において、イスラエルと日本の研究者が集い、新アッシリア時代の楔形文字文書に関する研究会が開かれました。きわめて専門的な内容の議論が展開され、聴衆を含めて非常に充実した討論がおこなわれました。また、西アジアの現地の研究者との親睦が深められ、今後の研究連携を深める良い機会となりました。この研究会の成果は出版物として公開される予定です。

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つくば市交流企画: 研究者と市民の対話
「西アジア古代文明への招待」

2011年6月26日、つくば市市民活動センターとの共催で、市民向け講演会および交流会を開催しました。50名を超える参加者の元、本センターから7名の研究者がリレー講演をおこない、その後参加者からの質問に答える座談会が開かれました。さらにその後は西アジアのお菓子やパン、トルココーヒーやチャイを楽しむ企画が催され、研究者と市民の良い交流の場になりました。日本人にはなじみの薄い西アジア文明および筑波大学による西アジアでの調査を知っていただくよい機会となりました。

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 教育プログラム

ヨーゼフ・カンジョウ氏講演会

2010年11月8日、シリア共和国アレッポ国立博物館のヨーゼフ・カンジョウ氏をお招きして、西アジア文明研究センター教育プログラム講演会を筑波大学にて開催しました。おもに筑波大学の学生、大学院生を対象とし、新石器時代の遺跡で発見される埋葬人骨研究に関するレクチャーがおこなわれました。 

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総合科目「西アジア文明学への招待」の開講

筑波大学の学群生対象授業として、総合科目「西アジア文明学への招待」を開講しています。当センター研究員が中心となり、西アジア文明関する、歴史学、考古学、言語学、環境科学といった様々な分野の講義がおこなわれます。各週の授業計画は以下の通りです。

2012年度 3学期 月曜2時限

日程 (2012-2013年)
講義題目
講義担当者
第1週 12月3日 西アジア文明とは 常木 晃
第2週 12月10日 西アジアの植生  中村 徹  
第3週 12月17日 西アジアの地質  久田 健一郎   
第4週 12月18日(振替日) 西アジア考古学と現代社会 前田 修
第5週 1月7日  古代西アジアの言語と文字 池田 潤
第6週 1月16日(振替日) 楔形文字文書の世界 柴田 大輔
第7週 1月28日 古代西アジアの歴史と人物 山田 重郎
第8週 2月4日 西アジアの先史時代  三宅 裕
第9週 2月18日  化学の目で読み解く古環境 丸岡 照幸
第10週 2月28日(振替日)  西アジアと地震   八木 勇治
第11週 3月4日 期末試験 常木 晃

 

2011年度 3学期 (約190名の学生が履修しました)

日程 (2011-2012年)
講義題目
講義担当者
第1週 12月5日 西アジア文明とは 常木 晃
第2週 12月12日 西アジアの植生  中村 徹  
第3週 12月19日 西アジアの地質  久田 健一郎   
第4週 1月18日 西アジアの先史時代 三宅 裕
第5週 1月23日  都市文明へ 常木 晃  
第6週 1月30日 西アジア考古学と現代社会  前田 修
第7週 2月6日 古代西アジアの言語と文字 池田 潤
第8週 2月13日 楔形文字文書の世界 柴田 大輔
第9週 2月20日  化学の目で読み解く古環境 丸岡 照幸
第10週 2月28日  西アジアと地震   八木 勇治
第11週 3月5日 期末試験 常木 晃

 

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