文部科学省

日本学術振興会


研究計画と研究組織
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研究項目 A04:  文化遺産の保存

計画研究13 (A04):
西アジア文化遺産の材質と保存状態に関する自然科学的な研究

研究代表者: 谷口 陽子 (筑波大学准教授・考古科学・研究全般、総括)
研究分担者: 小泉 圭吾 (大阪大学助教・地盤工学・三次元計測、工学評価担当)
研究分担者: 沼子 千弥 (千葉大学准教授・無機分析化学・シンクロトロン放射光分析担当)
研究分担者: 高嶋 美穁 (国立西洋美術館研究補佐員・保存科学・有機分析担当)
研究分担者: 島津 美子 (東京文化財研究特別研究員・分析化学・錯体化学、無機分析担当)
研究協力者: Giacomo Chiari (ゲティ保存研究所保存科学部長・化学分析・分析化学担当)
研究協力者: Joy Mazurek (ゲティ保存研究所研究員・保存科学・ELISA 分析担当)
研究協力者: 朴 春澤 (株式会社ハイテック・工学・高精度三次元計測担当)

本研究は、西アジア先史時代からプレ・イスラーム期までの文化遺産を対象とし、その製作技法、材料および保存状態について自然科学的に明らかにすることを目的とします。具体的には、筑波大学所蔵の豊富な西アジア考古資料、シリア、イラン、トルコの遺跡構造物および、新たにユネスコより受託を予定しているカッパドキア遺跡修復事業のフィールドを対象とします。製作技法、材料の調査として、(1)遺跡における非破壊元素分析および、微小サンプルを用いたラボでの高精度分析、(2)ELISA 法など抗原抗体反応を使った方法やGC/MS を用いた文化遺産を構成する有機物質の分析手法の確立と実践を図ります。さらに、(3)遺跡における文化遺産の保存状態の把握、現象の理解を目指します。トルコ・カッパドキア遺跡などを事例として用い、岩窟や壁画、周辺の地形の変容の事例を、詳細な形状3D解析等からシミュレーションするとともに、(1)、(2)による物質の分析結果や状態マッピングとを連動をすることで、総合的な遺跡の保存状態劣化要因の解明を目指します。これらは西アジア諸国の文化財保存への貢献の一環であり、本領域研究の他の研究計画班とはきわめて密接な関連を持って研究を実施していきます。