総括班「西アジア都市文明論」
各計画研究の進展を受け、都市の興隆・変容・没落、都市景観、都市の社会的諸機能、都市と環境の共存等の課題を実証的に研究して得た種々の認識を統合し、これを領域全体として把握するための活動を推進する。さらに、実証研究の総括の上に、「都市とは人間社会と環境にとってどのような存在であり、人間社会と地球環境の健全な未来の構築のために、我々はどのような都市を志向していくべきなのか」という文明論的・都市社会学的なビジョンを社会に向けて発信する。
各計画研究の進展を受け、都市の興隆・変容・没落、都市景観、都市の社会的諸機能、都市と環境の共存等の課題を実証的に研究して得た種々の認識を統合し、これを領域全体として把握するための活動を推進する。さらに、実証研究の総括の上に、「都市とは人間社会と環境にとってどのような存在であり、人間社会と地球環境の健全な未来の構築のために、我々はどのような都市を志向していくべきなのか」という文明論的・都市社会学的なビジョンを社会に向けて発信する。
西アジアの新石器時代・銅石器時代を専門とする考古学者、西アジアの地質と資源を研究する地質学者、動物考古学者、植物考古学者を中心に組織される。都市化に先行する諸現象として、都市の誕生に先立って西アジアの農耕村落社会とその周辺に現れた、新石器時代の大型公共建造物、埋葬儀礼、遠距離交易、大人口集落などに注目して、都市化への歴史的背景を考究する。
古代西アジアと古代エジプトを扱う2件の計画研究からなる。古代西アジア研究には、前3千年紀から後3世紀までの様々な時代を専門とする考古学、文献学、歴史学、地理情報学、環境史などの研究者が参画し、メソポタミアとその周辺における都市の景観と社会的機能の変容と多様性を通時的に把握することを目指す。古代エジプト研究では、エジプト各地での遺跡調査を実施し、異なる時代の歴史研究に従事する研究者が、かつて「都市なき文明」といわれた古代エジプトにおいて現在確認されつつある都市化の諸相を分析する。
地球科学、同位体分析学、微古生物学、古環境学などの専門分野」研究者が参画し、都市化とともに西アジア各地に生じた資源の都市空間への集中(食材、土、石材、金属、水など)や、コミュニケーション網とテクノロジーの発達について、西アジア各地の堆積物、構造物、人工物の分析によって明らかにし、都市と環境の相互影響関係を地球科学的・物質科学的に解明する。
歴史学と都市計画学を主とする2件の計画研究からなる。歴史研究には、西アジア史、中東地域研究、イスラーム建築史等を専門にする研究者が参画し、中世から近代の西アジアの中核都市の地理的変遷とネットワークの推移の通時的把握を行い、宗教的・民族的に多様な「イスラーム都市」を再考する。都市計画学には、都市計画史、文化人類学、文化財科学の研究者が参画し、現代の西アジア都市にみる伝統的街区と新興地区の共存、文化的に異なる帰属意識を持つ住民の共生・対立と文化財保全の在り方、災害からの都市の復興などに注目し、西アジア都市の重層的構造を分析する。
Copyright © 2018 The Essence of Urban Civilization: An Interdisciplinary Study of the Origin and Transformation of Ancient West Asian Cities.